2023年2月に行われた早稲田実業学校中等部の入学試験問題について研究しました。
●国語の配点
本校の入試300点満点中、国算は各100点です。国語は算数とともに合否に大きく影響する教科です。試験時間は60分です。
●問題の構成
長文読解問題が2題と漢字、語句問題が1題という構成は変わらないですが、2023年度では長文の種類が2題とも論説となっており、昨年まで扱われていた小説からの出題がなくなっています。学習指導要領との関係や採点の難しさから小説を避ける傾向があると思われます。論理的な文章を読んで、書かれている文章が何を言おうとしているのか的確に読み取る訓練をしておく必要があるでしょう。
もちろん、今年出題されなかったとはいえ、心情を問うような問題にも注意は必要です。
●論理の展開を的確につかむ
大問の一は、夏井いつきの俳句に関する論説文です。季語についての考えを述べながら、最後にはウクライナでの戦火について詠んだ句を取り上げています。
問1については季語の手順についての問題です。本文中でも出てくる「歳時記」という語句が含まれた選択肢がありますが、歳時記についての理解がないと戸惑うかもしれません。
問3は文中の句と同じ俳人の作品を答えさせる問題で、高浜虚子の句以外に、松尾芭蕉、正岡子規、小林一茶の句が用意されていて、幅広い知識を要求されています。
問5は本文中の傍線2「今を生きる私たちは、淡々と今を読み続けるしかない」という部分から読み取れることを問うているのですが、筆者の言いたいこと、論理の展開を的確につかむ必要があります。「現代の不安定な世情を詠んで世界の人々に訴えていくこと」という選択肢を選ぶことになります。
問8は本文の内容を一言で表している選択肢をあげる問題ですが、本文の内容より明らかに言い過ぎているものを外していくと「俳句を通して作品の受け手の現実に一定の効果をおよぼすことを期待している。」という選択肢にたどり着きます。ここまで読み取れたでしょうか。
●論理の流れをまとめる練習を
大問の二の出典は、池田清彦の「バカの災厄」です。解答用紙にすでに示されている語句に見合うように指定の字数内で解答を完成させます。
問1については「人間」のほうが「バカ」であるのはなぜか理由を2つあげることを求められます。解答用紙が「コロ」はから始まっていますから、犬は音や匂いといった微細なサインの違いを認識するという合理的な行動をするが、そのことを人間が理解できていないという本文で展開されている話の流れを要約してあてはめることになります。もう一つの理由は、解答用紙に「人間は」とありますので、「人間は」犬も人間と同様に自分の名前を認識しているはずだと思い込んでいるという文脈です。
問2は「バカの災厄」はなぜ引き起こされるかというこの文章で筆者が一番いいたかったことをまとめます。Aは文中の「概念」とはどのような能力かという定義で、Bはそれに続く「概念」の説明を文中から抜き出します。そしてCで災厄が引き起こる理由を示すことになります。すなわち、概念の同一性は絶対的なものだと信じ、相手の同一性のずれを認めることができずに存在を否定するという文脈です。
大問の2のような解答要旨に示された語句を用いて解答する形式の問題は同種の問題を繰り返し解くことで解答にたどり着きやすくなります。段落ごとに展開されている論理の流れをまとめる練習を行いましょう。
論理の流れをまとめる練習を積み重ねることで、筆者の言いたいことを的確につかんで解答することが、本校合格への一番の対策であると考えます。