2023年2月に行われた明治大学付属明治高等学校の入学試験問題について研究しました。

3回にわたって私立中学校の入試問題を見てきましたが、そろそろ高校の入試問題にも広げて見ていきたいと思います。はじめに調布にある明治大学付属明治高等学校を取り上げます。明治大学へ行きたい人のための学校という位置づけです。

●問題の構成

明大明治高校の国語の問題は2020年よりずっと大問1が読解、大問2が漢字書き取りという構成です。しかも、例年、読解問題の題材となる文章はかなりの長文です。2023年度では12,400字を超える長さです。出題文の種類もここ数年、論説以外が扱われたことがなく、当然、この傾向は今後も続くだろうと予想されます。試験時間内にこの分量の文章を読んで、筆者の言いたいことを捉えるためには、日頃から論理的な文章に慣れ親しんでおく必要があります。

●何が要求されているのかを正しく捉える

2023年の出題は寺井美奈子の「ひとつの日本文化論」という論説文です。衣服を通して日本の文化について語っていますが、踊り、謡曲、茶道などにも触れ、奥行きの深い内容です。

大問一の中には14の小問があります。書体の名称を答えさせる問題(楷書、行書、草書)はやや意表を突かれた感じです。

問二の接続表現の組み合わせを答えさせる問題は変わっていて、「同じ接続表現が入る組み合わせを三つ考え」とあります。解答用紙を見るとすぐに問題の意味がわかって、6つの箇所に「たとえば」、「しかし」、「つまり」のどれかが2つずつ入るということなのです。パズルのようですね。

問四、問八、問九、問十二ではそれぞれの問が指定する箇所で筆者の言いたいことをまとめる能力が要求されます。

問四は「プラスティックでできたオニギリの型」の話題を通して、筆者は何が言いたいのかという問題です。問われているのは、この話題を通して筆者が言いたいことであって、おにぎりの型の話しにこだわってしまうと質問に対する答えにならなくなってしまいます。「おにぎりの型を三角形の外形を形作るために使っても御飯がくずれてはオニギリの用をなさないということ」と答えてしまったらオニギリの話題で終わってしまいます。「そこに意味内容という実質を含んでいるのが型であって、外面的な形としてのみに重きがおかれているのはゆがんでいるということ。」と答えたいです。

●筆者の言いたいことを掴んでまとめる能力を身につける

問八は筆者が「いささか乱暴な言い方」とまで前置きしながらも言いたかったことはなにかという問題です。筆者が何を言いたかったかは前後の文章にかなり詳しく書いてあるのでわかると思います。書いてあることをどう要約するかがポイントになります。「実のところデザイナーはいろいろな表現を持つ線を考え出して、いろいろな型をつくっていくにもかかわらず、身体に合ったひとつの型をつくることだと言い切っているから。」と答えます。

問九はわれわれが「昨年、一昨年つくった洋服をどうしも着る気がしない」原因を筆者はどのように考えているかという問です。これも問八と同様、後ろの段落で詳しく説明してありますので、筆者の考えを要約することで解答が作れます。「人間は毎日、自分の型をつくりつづけているので、昨年の型はあくまでも昨年の自分に合った型でしかなく、現在の自分を表現できないから。」という解答を作りました。

問十二は「マネキン人形が並んでいるに過ぎない」とはどういうことを言っているのかという問題です。この問も該当箇所の前で説明されていますから、それをまとめることで解答となります。わたしは「人に着せてもらったのでは一人一人の個性は表せないということ。」といった解答を用意します。

問五は指示語の表す内容を求めていて、問十は空欄補充ですが、これらも実のところ筆者の言いたいことをまとめる問題です。問五や問十もなかなか手強い問題で、筆者の言いたいことをまとめる能力がなにより見たいのだなと思わせます。問十四は○×問題ですが、紛らわしいものも含まれているので、出題文の内容把握が充分でないと正答できないかもしれません。

●論理的な文章は与しやすい

最初に触れましたように本校ではたいへん長い文章が出題されています。それを短い試験時間内に読んで、筆者の言いたいことを正しく把握し、なおかつ要点をまとめることを要求されます。慣れていないと混乱するでしょうし、よく読めばわかるようなことでも間違いを犯しやすいです。日頃から理論的な文章を読んで、何が書かれているのかまとめるような訓練をしておきましょう。この題材を見てもわかるように答えは指定された箇所の前後に書かれていることが多いです。慌てなければ必ず答えにたどり着けるはずです。

国語では着実に点数を稼ぎたいものです。